「名古屋めし」の代表的な調味料「八丁味噌(みそ)」の「地理的表示保護制度」(GI制度)をめぐり、農林水産省は24日、愛知県岡崎市の老舗2社で作る「八丁味噌協同組合」を追加登録したと発表した。八丁味噌については、別団体が8年前に生産地を「愛知県」として登録を受けたが、老舗側が「発祥の地(岡崎市八丁町)に限るべきだ」と反発。国に取り消しを求めるなど対立が続いていたが、老舗側が「愛知県」を受け入れた。
GI制度は農水省が農林水産物や食品を地域ブランドに登録して守る仕組み。岡崎市の老舗2社は2015年に八丁味噌の登録を申請したが、生産地の範囲などを巡って調整がつかずに取り下げた。
一方、県全体を生産地とした「愛知県味噌溜醬油(たまりしょうゆ)工業協同組合」(名古屋市)が17年に八丁味噌で登録を受けた。老舗側は「八丁味噌は岡崎市の2社が伝統的な製法で作る豆味噌を指す」と取り消しを求め、不服審査の請求や訴訟で争ったが、いずれも認められず、来年2月からこれまで通り「八丁味噌」を名乗れなくなるおそれがあった。
八丁味噌は、塩と大豆を原料…